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【深山農園株式会社】美味しさの理由が見えるこだわりのしいたけ作り

代表取締役 深山陽一朗 氏

 

出発は「もの作りがしたい」から
 相生市矢野町でしいたけの栽培を行う「深山農園」の三代目社長・深山陽一朗さん。
 かつて銀行員だった深山さんだが、「もの作りがしたい」という転機から、祖父の代から続くしいたけ農園を継ぎ就農することに。農業に携わると、銀行員時代に培った経営・企画力を活かして生産性の向上やコストの改善に取り組むようになり規模を拡大。現在は10棟のビニールハウスを保有する農園で家族や身内、パートを含めた約20名で年間約50トンの生産量を確保している。

 

根拠に裏付けされたこだわりのしいたけ作り
 緑が溢れる、自然豊かな地域にある深山農園のしいたけは、肉厚で大きいのが特徴。じっくり、ゆっくり栽培することで、芳醇な香りとジューシーな味わいを醸し出す。しいたけは全体の約9割が水分のため、水が味を左右する。ここでは、地元を流れる小河川の上流から湧き出る水を使う。これが、美味しさの最大の秘訣と言える。
 祖父の代から受け継がれたしいたけ栽培を現代の需要に合わせて安定供給させようと始めたのが「菌床」を使った栽培方法。 
 菌床栽培とは、オガクズなどの木質基材にトウモロコシや米糠などを栄養素として加え人工の培地で栽培する方法で生産効率が高い。オガクズは四国産の上質なものを使用し、入念に殺菌したブロック状の培地にしいたけの菌を接種する。その後は定温管理されたハウスの中で、約10ヶ月の月日をかけて立派に育て上げる。
 品質の向上を目指して、日々しいたけと向き合う深山さんのこだわりは「理由の見える化」。美味しいものには、必ずしっかりとした理由があり、それを匠の技で片付けずデータにすることで、消費者にわかりやすく伝えるように心がけているという。
 一般的に美味しいしいたけを作るには、ある程度のストレスや刺激を与えることが重要とされている。しかし、一体どの程度で、どういった結果を生み出すのかは計り知れていない。深山さんは、それを明確にするために、一時的に低温状態にしたり、菌床を叩いたり、逆さにしたりとストレスや物理的な刺激を与えながら、しいたけの生長過程において、様々な変化を与えつつ日々検証を行っている。さらに、緻密なデータ分析で、欲しいものを欲しい時に提供できるようにコントロールしているという。
「消費者のニーズに応えていくためには、こうしたデータベースを蓄積させておくことが一番重要だと考えています。」
と、勘に頼るのではなく、明確な根拠をもったこだわりのしいたけ生産に努めている。

 

 

他には無い加工品を目指す
 今後は、異業種連携を伴う加工品作りを強化していこうと考える中で、注目しているのが「出汁」。しかもしいたけには、血液をサラサラにし、動脈硬化や高血圧を予防する栄養素が豊富に含まれているため、健康食品としても最適だという。
 「出汁を作るなら、出汁に合う出汁のためだけのしいたけを栽培して、コストが高くても品質の良いものを作りたいんです。」
と、深山さん。通常なら傷モノなど商品化に至らないもので加工品を作ることが多いが、あくまで品質を重視し、深山農園ならではの商品化を目指している。
 さらに、食べ方の提案まで踏み込んだ商品作りをしたいと考える深山さん。例えば、最高級しいたけや焼き専用しいたけなど、夢はふくらむばかり。また、漢方の原料のように、食べること以外の用途も思案しているという。消費者のことを常に一番に考えたものづくりの精神で、新たな商品化へ着実に向かっている。


 住所/兵庫県相生市矢野町小河854
問い合わせ/TEL: 0791-29-0013
E-mail/info@fukayaman.com
ホームページ/http://fukayaman.com

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