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【太市の郷】 太市の原風景は美しい竹林タケノコ作りに取り組む

代表 﨑谷久義 氏

 


太市の原風景の再生とタケノコづくり
 姫路市太市地区でタケノコを栽培する﨑谷久義さん。現在は、ふるさとの原風景再生プロジェクト「太市の郷」代表として地域里山の保全を目指した活動を行っている。
 この﨑谷さんの里山を再生する活動の発足こそ太市タケノコと密接に関係している。 太市は県内産タケノコの9割以上を出荷する特産地。県内ではタケノコの里として知名度が高いが、タケノコ栽培は経済効率が低く、近年は放任の竹林が増えた。さらに不法投棄ゴミなどの追い討ちもあって、荒廃した竹藪が目に余っていた。
 かつて仕事のため、長く地元から離れて暮らしていた﨑谷さん。ある日、太市に帰省した際に目にした懐かしい風景は、大きく姿を変えていた。その現状を憂い、定年をきっかけに、実家の持つ竹林の管理と合わせて里地復興を積極的に取り組むことになる。
 太市では、竹林は昔から世帯ごとに管理するものとされているほど、地域にとっては切っても切れない存在。﨑谷さんらは、行政支援や地域住民の助力も得ながら竹薮を整備し、広範囲の竹林を蘇らせた。このような活動で里山復興が促され、地域資源のタケノコ採取量の増加も図る。さらに伝統的な管理と採掘の術や知恵に支えられる竹林へ、都市市民を誘いタケノコ掘り体験会の実施などで地域の活性化も生み、町おこしへ発展させている。

 


 
他の産地に負けない品質 太市タケノコ
 太市タケノコの歴史は古い。栽培が始まったのは江戸時代からだという。昔は換金作物として、農家の生活を支える重要な作物であり、今もなお市場からは品質・味ともに高い評価を得ている。
 他に京都が有名な産地として知られるが、太市タケノコの優位性は「土」にある。太市の土壌は、粘土質の赤土で、土中で芽生えたタケノコに赤土が絡みつくことで空気に触れないため、白くてエグみの少ないものに成長する。
 さらに、太市では、まだ土の中にいる状態のタケノコを「トンガ」と呼ばれる刃先の長い掘り道具を使って収穫する。天候の影響を強く受けるので、掘り採る折のタイミングは微妙で難しいが、それらは、長年培った熟練の技術でカバーしていくという。まさに伝統の職人技といえる。
 毎年旬の時期に入ると、ご当地産のタケノコは全国どこでも珍重されている。それは鮮度の問題。高品質のタケノコほど鮮度が命といわれ、収穫から半日程度でアクがまわってしまうほどに品質管理は難しい。
「一般的に調理時は、米糠などでアク抜きをすると言われますが、太市産のタケノコは水だけで煮て大丈夫ですよ。」
とは﨑谷さん。太市タケノコの品質の良さは折り紙付き。収穫したてのタケノコを手に入れるには現地に赴くしかないが、ぜひ他の産地ものと違いを食べ比べてみてほしい。

異業種連携による新たな流通を作りたい
 現在、太市筍組合では、タケノコ生産量の約3分の2を水煮缶詰で出荷している。僅かなキズや形状違いなどの規格外品として扱われるものを、高品質地ならではの商品として提供できる別の加工品で新たな流通が生めないかと思案している﨑谷さん。竹自体の芳香性や抗菌作用を活かした商品づくりなど、様々な試みにも挑戦したいそうだ。
「地域密着型の小規模な会社やお店でも、一緒に考えてくれる熱心な方がいれば、協働でチャレンジしたいと思っています。」
と、異業種連携を視野に入れながら、新たな仲間を増やし、太市産タケノコの魅力をもっと広く発信しながら地域づくりに繋げたいと語ってくれた。

 

 


住所/兵庫県姫路市太市中62
問い合わせ/TEL:090-2285-2837(携帯)  FAX:079-269-0707
E-mail/oichi_no_sato@yahoo.co.jp

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