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【勤成丸】味に自信あり「一粒入魂」播磨灘の大粒牡蠣

総務課 課長上田晴樹 氏
HARUKI UEDA

 

網干のすばらしい牡蠣をもっと広めたい
 姫路市網干区でかき養殖業に参入し、精力的に生産を行っている勤成丸(きんせいまる)。地元漁業協同組合に所属し、高齢となった漁業者のかき養殖事業を引き継いだ。そんな勤成丸で、かき養殖全般と直売店、カキ小屋を切り盛りしているのが上田晴樹さん。
 網干港から漁船「勤成丸」に乗って10分ほど沖合へ出ると養殖筏(いかだ)が姿を見せる。ここは清流揖保川の河口に位置し、豊かな山のミネラルが流れ込む。瀬戸内ならではの激しい潮流は豊富なプランクトンを生み、類まれな牡蠣の成長を引きだす。他県より短期間で大きく成長するのが強みで、大粒で加熱しても縮まず、くせのない濃厚な味わいの牡蠣になる。水揚げされた牡蠣はすぐに加工場へまわされ、ひとつひとつ手作業で丁寧に選別、加工され、「殻付き牡蠣」、「むき身牡蠣」として出荷される他、オリジナルの佃煮(ゆず、生姜、山椒)も商品化され、それら全てが兵庫県認証食品の「ひょうご推奨ブランド」となっている。
 この恵まれた環境で育てた牡蠣をもっと多くの人に知ってもらいたいと、直売店での販売の他、「むつみしょっぷ」というECサイトを立ち上げ、「勤成丸の牡蠣」というブランド名でネット販売にも取り組んでいる。
一粒入魂の精神で牡蠣養殖の厳しさに立ち向かう
 

厳しさに立ち向かう
 「自然と向き合う牡蠣養殖には、幾多の苦労がある。」と語る上田さん。近年は極端な気象の変化が多く、夏の猛暑や爆弾低気圧、大型台風に気をくばり、筏を移動させたり、牡蠣にまんべんなく酸素が行きわたるよう、吊り下げる水深を様々に変えながら手塩に掛けて牡蠣を育てている。
 また、種ガキ(稚貝の付いたホタテ板:種板)の出来によっても翌年のカキの生産量が左右されるとのこと。もともと、広島県産と宮城県産の種板を使用していたが、東日本大震災の影響で宮城県産が入手困難となり、現在使用しているのはほぼ広島県産。しかし、近年、採苗不調のため種板の供給が不足して値段が高騰したり、質が悪い種板が流通することもあるとか。
 何かと苦労が絶えない牡蠣養殖だが、地元漁業の伝統を引き継ぎ、網干の牡蠣のすばらしさを広めるために「一粒入魂の精神で日々牡蠣養殖という仕事と向き合っています。」と上田さんは力強く語ってくれた。
 
新たな挑戦で地域を元気に
 平成29年11月25日に網干港に新鮮な海産物の飲食と直売が楽しめる「網干じばさんひろば魚吹津(うすきつ)」がオープンした。魚吹津は姫路市漁業協同組合網干支所が主導する地元漁業の活性化事業だ。勤成丸をはじめ地元の各漁業者も魚吹津で商品を販売することで、漁業者の収入アップに直結するだけでなく、より多くの人に網干の牡蠣を知ってもらうことができる。
 勤成丸のカキ養殖筏は現在6基。漁協所属の他の漁業者の分を合わせても、網干では10基。絶対量がまだまだ少ない網干のかきを安定供給するためには、生産のモトとなる種ガキ(種板)の安定確保が不可欠となる。現在、兵庫県の協力を得ながら、網干の海で採った種ガキから、かきを育てる養殖試験を行っている。種ガキの管理は約1年続き、非常にデリケートで手間のかかる作業ではあるが、生産の安定につながるとともに、純網干産かきという付加価値が生まれ、ブランド化にもつながる取組み。「将来的には地元の雇用を産み、地域を元気にする夢のある話なんだ」と熱く語る上田さんは新たな目標に向けて日々邁進している。

住所 〒671-1242 兵庫県姫路市網干区浜田1223番地の22
問い合わせ TEL: 079-271-0623 FAX:079-271-0622
ホームページ http://mutsumi-shop.ocnk.net/

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