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【ぐるぅぷ of Nutritionists】日本古来の植物「ムラサキ」で地域の農業経営基盤を強化したい

相談役 吉川満三 氏

 


医食同源に根ざした研究
 兵庫県神戸市を拠点とし、医食同源の概念から食のアドバイザーとして活動を行っている“ぐるぅぷ of Nutritionists(ニュトリショニッツ)”の相談役を務める吉川満三さん。
 以前は、医療機関に勤務していた吉川さん。退職後は地元神戸市に戻り、グループの活動を開始。その活動をする一方、吉川さんは4年前に淡路市の地域おこし協力隊に応募し、約2年半の期間、協力隊として薬草といわれるムラサキ科の多年草「ムラサキ」の栽培と研究を行った。
 吉川さんがムラサキを研究対象に選んだ理由は、ムラサキが昔から染料や漢方に使われていたと知り、自身のモットーである医食同源に繋がると感じたからだという。現在も、協力隊時代に立ち上げた「淡路市尾崎地区紫根研究会」を元地域おこし協力隊と地元農家の協力を得て、活動を続けている。

 

日本の芸術・医療文化に密接に関わるムラサキ
  ムラサキの根は紫根(しこん)と呼ばれ、古来より染料(江戸むらさき・京むらさき・南部むらさき)として使用され、藍・紅花と並ぶ三大色としても知られている。さらに紫根に含まれる「シコニン」という成分には抗炎症作用があり、主に皮膚疾患の薬として現代医療においても使用されている。よって、最近では化粧品や入浴剤としても利用されることも多い。また、この紫根には国産の「硬紫根」と外国産の「軟紫根」の分別があり、一般的に硬紫根の方が品質が高く、染色の美しさもさることながら医療・化粧品としての効能も高い。
「日本には小野妹子ら遣隋使により伝えられたとされ、以来高雅なその色は高貴な者のみに許された「禁(きんじき)色(きんじき)」でした。そのムラサキは、万葉集の歌のなかにも度々ムラサキの言葉が使われているのですよ。」
と話す吉川さんは、研究を進める上で奥深いムラサキの魅力に惹かれたという。
 しかし、現在ムラサキはその栽培の難しさから絶滅危惧種に指定されている。
 ある研究施設からムラサキの種を分譲され、栽培を始めた吉川さんたち。実際にムラサキは発芽率が極めて低い上に成長過程でさらなる試練がある。苗床で発芽したものを畑に移植させるのだが、ムラサキは土や気候に対して非常にデリケートであり、さらに病虫害を受けやすい。
「栽培は非常に困難でしたが、さすがは農家の方々。農業で得たノウハウを活かしたアイディアで、見事に収穫ができるまでに成長させてくれました。」
と話す吉川さん。研究データを取りながら試験栽培を繰り返した結果、安定した栽培と一定量の収穫に成功し、2017年には、市内9地区での試験栽培を行う予定になっている。

 

力を合わせてムラサキをPR
 地域の農業経営基盤の強化と耕作放棄地の有効利用を目的に始まったムラサキの栽培。 「ムラサキが広く認知されて、定年退職後の方の就農につながってほしい。」
と話す吉川さん。現在はワークショップの開催や紫根染めの販売情報などをSNSで発信している。ワークショップは研究会に所属する染色作家が講師を努める本格的な染色体験が楽しめるなど、21名の会員それぞれが得意分野を活かしながらムラサキのPRに努めている。
 吉川さんが考える今後のステップアップは、紫根染めによる加工品で6次産業化を確立し、それを淡路島の観光資源にすること。さらに、医食同源に根ざした生薬としての利用を淡路島で進めていきたいと目標を高く持ち、挑戦している。

 


〈ぐるぅぷof Nutritionists 〉
住所/大阪府高槻市満新町3-10  TEL: 072-683-4498
問い合わせ/兵庫県神戸市中央区栄町通4丁目4-5-604  TEL: 078-362-5767

〈淡路市尾崎地区紫根研究会 〉
住所/兵庫県淡路市尾崎1501-8  
問い合わせ/TEL: 0799-70-4303
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