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【株式会社 ささ営農】6次産業化で企業も地域も元気にする

代表取締役 八木正邦 氏

 

地域農業の行く末を考えた営農組合の法人化
 兵庫県たつの市新宮町笹野地区は、山地と一級河川の揖保川に囲まれた自然豊かな地域。この地域で先進的な農業に取り組むのは、株式会社ささ営農の八木正邦さん。
 平成14年にほ場整備採択とともにささ営農組合を設立し、米・麦・大豆・野菜の生産に取組みながら、平成16年、兵庫県神戸市のエム・シーシー食品からの依頼でバジルの栽培を始めた。当時はバジルの生産を行う農家が少なく、前例のない状態であったが、地域一丸となってバジル生産へ挑戦することとなった。
 バジルへの取組み当初は、栽培のノウハウは無かったが、とことん品質の良いものを作ろうと、農薬は一切使用せず、葉も全て手作業で朝摘みすることにこだわった。茎が入らないので、雑味のない繊細な味わいになるという。安全性と品質の高さは、「ひょうご安心ブランド農産物」にも認定されるほどになった。
 営農組合として活動するなかで、地域の農家に出役をお願いしていたが、担い手不足、農家の高齢化の問題が発生し、この先、営農組織では地元の農地を受け継いでいくことが難しい状況になっていた。そこで平成18年に兵庫県下で初めて、株式会社という形で法人化。最初は農事組合法人での法人化を考えていたが、組合の場合は、意思の決定が遅れる場合があり、株式会社化することで経営と所有が分離し、少数の役員で迅速な決定が可能になる。これが株式会社を選んだ一番の理由。ここから、地域活性化に根ざした農業経営が始まった。

 

バジルと6次産業化が企業と地域の発展をもたらす
 法人化後は何か事業に取り組みたいと始めたのが加工活動。最初はたつの市の特産品として栽培していた桑の実を使って、ジャムを作ったり、自社材料を使った醸造酒を販売していた。加工品を作るのもなかなか軌道に乗らない中、エム・シーシー食品から、「年々、バジルの需要が高まり、工場での一次加工が困難になった。御社で一次加工ができないか。」との打診があり、平成23年、農林水産省「6次産業法・地産地消法」に基づく事業計画認定を得て、6次産業化事業に取り組み始めた。
 6次産業化事業計画のもと、平成25年に加工場を建設、26年に稼動を始めた。
 依頼主のエム・シーシー食品から設備選定や運営面などで全面協力を得る事で、念願のバジル工場の稼動につながっていく。工場では、朝摘みしたバジルをペースト化しており、工場新設の翌年には年間70トンを出荷するまでになった。
 また、バジル生産部会を設立することで、バジルの生産面積と出荷量を当初の2倍以上に拡大させ、たつの市は日本有数のバジル生産地となった。
 八木さんのこうした6次産業化への取組みは、地元の新たな名品を作り出し、さらに高齢者や障害者に就労の場を与えるなど地域に大きく貢献している。

 
常に変化を求める企業に
 八木さんの信念は「食」の安全性。そのために現在取り組んでいるのが「JGAP」の推進と「有機JAS」の取得。さらに、東京オリンピックに向けて重要視されている「グローバルGAP」の推進など、世界が認める食の安全性と美味しさの追求に努めている。
 さらに、新たに挑戦を始めているのが機能性有効成分を多く含んだ「機能性野菜」の生産と加工。すでに試作品の製造に着手しており、ゆくゆくは直接販売できるようにネット通販の環境も整える予定だという。時代の流れを的確に読みながら、柔軟に変化し続けるささ営農の躍進が楽しみだ。

 


住所/兵庫県たつの市新宮町下笹1049
問い合わせ/TEL: 0791-77-0177  FAX:0791-77-1770
ホームページ/https://www.sasaeinou.com

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